荘川の秋は奉納芝居から始まる
荘川秋の例祭にて地域の若者が、赤城山の名月、雪の渡り鳥、曽我兄弟など人情時代劇を奉納芝居として情緒あふれる演技で演じ、会場に集う人々と楽しむ
荘川では、古くから歌舞伎芝居が伝わっていましたが、現在は残念ながらその姿は絶えてしまい、資料にも残っていません。しかし、数少ない農村娯楽の一つとして、各神社での即興芝居などで受け継がれ、後に岐阜から師匠を招いて、大衆演劇の形で演じられ今に至っています。若者が少なくなり芝居ができなくなる神社もありますが、今も、黒谷白山神社、一色白山神社、野々俣神社、荘川神社で毎年行われています。
年に一度一夜限りの舞台に、約二週間前から練習を始め本番を迎えますが、プロとちがい全員素人。セリフ忘れや台本に無いアドリブ、時にはカツラがずれたりというハプニングと観ているお客さんからの温かいヤジ、それらが一体となって、田舎の秋の一夜の風物詩となっています。